2013年8月26日月曜日

帝釈峡自然遊歩道を行く

雄橋

帝釈峡は日本5大名峡の一つです。
この地方に発達しているカルスト台地が帝釈川によって侵食されてできたもので、東城町、神石町、油木町を南北に約20kmまたがる大峡谷です。

上帝釈では世界3大天然橋の一つである雄橋(国天然記念物)や白雲洞(鍾乳洞)、断魚峡(急流)、岩柱、滝などの奇勝奇岩を見ることができます。


永明寺は帝釈天を本尊としてまつってあり、帝釈峡の名の起こりはここにあるようです。また、現在は石雲山を背景に本院しかありませんが昔は子院七坊を有していたということです。

上帝釈無料駐車場のすぐ隣に永明寺と賽の河原があります。


ここから、神龍湖トレイルセンターまで約7kmの自然遊歩道が整備されています。



雄橋までの約2kmは舗装された平坦な道が続きます。途中に寄倉岩陰遺跡、白雲洞、鬼の唐門などがあります。
雄橋から断魚峡、養殖場までは少しだけ上り下りがありますが、老若男女、誰でも快適に歩けるコースです。
 

養魚場から素麺滝までは約400mの山道です。舗装はされていませんが平坦な道です。この先は、がけ崩れのため通行止めになっています。(上帝釈から素麺滝まで約2700m)

素麺滝

神龍湖に向かうには養魚場まで引き返して迂回路を通ります。
急な坂道を約10分登ると自然豊かな草原が続きます。

その後、急な坂道を下ると神龍湖柏岩橋付近に着きます。迂回路約2500m


■白雲洞
白雲洞は帝釈峡の鍾乳洞を代表する洞窟です。入口は狭いですが、内部はわりと広く、高いところで20m幅が5mあります。
見学範囲は奥行き約200mで板張りの床になっています。
見学範囲の一番奥には風穴があり、どこからか冷たい風が吹いてきます。


鬼の供養塔は10数mの柱で帝釈天に命じられて雄橋・雌橋を造った陰陽2鬼神の供養塔といわれています。

鬼の唐門は小規模な天然橋です。すぐそばに白雲洞があることから古い鍾乳洞が崩落して出来た橋だと考えられています。


雄橋は国の天然記念物で世界3大橋の一つです。渓水の争奪作用によって作られたもので、長さ90m幅19m、高さ40mの日本1の天然橋です。


断魚渓は帝釈川唯一の急流です。激流が渦を巻いており魚がこれ以上上ることができません。たぶん。下流部に数個のポットホールがあります。
サンゴやウミユリなどの化石が発見され、帝釈台地でもっとも古い地層です。


■ちょっとした山歩きや遊歩道歩きに使いたいデイパック
ショルダーハーネスは薄めでウエストハーネスはない物も多いが、日帰りの山歩きなら問題ない。
種類が豊富で普段使いにも適している。
1・2時間の歩きでも、歩くときに両手が空いているのはいいことだ。


2013年8月24日土曜日

大万木山(おおよろぎ山)はサンカヨウとブナ原生林残る山

大万木山頂(左)とタコブナ(右)

大万木(おおよろぎ)山は標高1218mの山で広島県庄原市高野町と島根県飯南町頓原の県境に位置しており島根県側は県民の森となっています。
この山はサンカヨウの群生とブナの原生林が残る素晴らしい山です。
サンカヨウは島根県レッドデータブックに載っている絶滅危惧種です。
絶滅の原因は盗掘です。絶滅しないようにみんなで大事にしていきたいものです。

5月初旬はサンカヨウが咲いています。


島根県側からのコースは登山道や避難小屋が整備されています。
  • 滝見コース(門坂駐車場から山頂まで3.1km)
  • 権現コース(山頂まで1.8km)
  • 渓谷コース(位出谷駐車場から山頂まで2.8km)

最も手軽に頂上をめざすには広島県高野町和南原から地蔵尊展望台下の駐車場まで車で上がります。駐車場から地蔵尊展望台へ向かい、滝見コースに合流します。
駐車場(下図赤○)から1.7kmで頂上です。


上図(現在地)に着く手前の坂道に「高野側の登山道」がありますが、この登山道は人があまり通らないので荒れた山道になっています。

島根県側は県民の森となっています。登山道は現在地(毛無山P)からとその右中央にある「P」が便利です。
毛無山駐車場(下図現在地)から大万木山頂までは約2時間かかります。

地蔵尊展望台下の駐車場付近

地蔵尊展望台(左)とサンカヨウ群生

ブナ林

山頂付近避難小屋(左奥)と山頂(右)



■目的に合った登山靴選びで快適歩行
登山道は不整地、整備された登山道、岩場、雪上・・・歩く場所によってそれにふさわしいブーツがある。一般的な登山なら転倒による捻挫や怪我防止のためにハイカットやミドルカットのトレッキングブーツを選びたい。







日本ピラミッド葦嶽山(広島県庄原市)

■葦嶽山と鬼叫山(広島県庄原市)
1934年ピラミッド研究家「酒井勝軍」が山頂から直径約3mの太陽石とそれをとりまく円形と方形の磐境を発掘しました。が、戦前の国家権力によって頂上の中心石、敷石等は破壊たということです。
葦嶽山山頂(左写真)

酒井勝軍は葦嶽山山頂から約150mの鬼叫山に方位石やドルネンと呼ばれる供物台等があることから世界最古のピラミッドで、葦嶽山は本殿、鬼叫山は拝殿であると発表しました。
方位石と獅子岩(左写真)・ドルネン(右写真)

鬼叫山の巨石群一帯は、大正初期に神武天皇の財宝が埋められているという噂によって大勢の人が宝探しを行いました。
そのため、屏風のように並んでいたという石柱が倒されました。現在残っている神武岩は倒されずに残った屏風岩の一部です。

神武岩(左)倒された屏風岩
■写真で見る

■登山道
庄原市内からR432を総領・東城方面へ進むと、総領と東城の分岐点の三差路があります。この三差路を東城方面へ約7km進むとピラミッド登山口への入口(写真)があります。

大きな看板があるのですぐに分かります。詳しくは登山道紹介のページ
ここを右折し約1km進むと野谷ルート登山口への入口があります。このルートは本格的な登山道です。

登山ルートについては詳細地図と日本ピラミッド葦嶽山案内図を見てください。
野谷ルートのほかにハイキングコース(灰原ルート)があります。

このルートは車で途中まで上がることができ駐車場から20分程度で山頂へ登ることができます。駐車場付近にはトイレ、休憩所があります。詳しくは灰原ルート紹介のページ

灰原ルート案内図

上図の案内図は灰原ルート駐車場にあるものです。
左の駐車場から右の駐車場(終点)までは約400mです。
このルートはハイキングコースですが休憩所(中央)からは登りがきついです。
休憩所からの最短ルートは灰原ルートのページへ
ハイキング気分で登りたい場合は上図左の現在地から登るルートがよいでしょう。


より大きな地図で 庄原市県境マップ を表示


2013年8月23日金曜日

道後山と岩樋山(比婆道後帝釈国定公園)

岩樋山と道後山(右奥が道後山)

道後山は広島県庄原市西城町三坂にあります。広島県と鳥取県の県境に位置した海抜1268.8mの山で山頂には一等三角点があります。
この辺り一帯は昭和38年7月24日に比婆道後帝釈国定公園として指定されました。
標高1080mあたりの月見が丘まで自動車で上がることもできます。

この山は、麓は大きな木の林、中腹は中くらいの高さの木の林、その上が小さい茂みの地帯、山頂が草原地帯とまるで3000m級の高山の縮図のような植物体を持っています。

道後山山頂

■道後山と岩樋山
道後山スキー場の上の月見が丘から登ると最初にあるのが岩樋山です。
岩樋山の先が道後山です。このことを知らないと岩樋山を道後山と勘違いしてしまいます。
左写真は岩樋山。右写真の左の山が岩樋山・右奥の山が道後山



山頂辺りは広大な草原地帯でなだらかに起伏しており、中国地方随一の秀麗な山容を誇っています。

山頂からの眺めはよく中国山地の山ままの尾根が見渡せます。晴天には大山も見えます。






写真は岩樋山からの眺め

岩樋山と道後山を比べたら岩樋山の方が標高も高いし見晴らしもいい、山頂に巨石もあり独特の雰囲気もある。
それなのに道後山の方が有名だ。確かに道後山には1等三角点があるが不思議な感じがする。休憩所の上辺りからイチイの木が山頂を取り囲むように植えられている。
イチイの木(栂の木)は古代神木と考えられており比婆山でも御陵を取り囲むように植えられている。山頂にそれらしき物は無いが山岳信仰と関係があるのだろうか。

岩樋山山頂から峰づたいに築かれた県境の石塁があります。かつては牛の放牧が盛んでその当時の面影をといえるでしょう。まるで小型の万里の長城です。